日本MAB計画委員会 会議 議事メモ 2011.03.08(平成23年) 場所:札幌市白石区 札幌コンベンションセンター 日時:平成23年3月8日 16:30 - 17:10 出席者:  松田裕之・鈴木邦雄・酒井暁子・中越信和・松井 淳・湯本貴和  岡野隆宏・井田秀行・増沢武弘;若松信彦・比嘉基樹・山口史枝 日本生態学会大会企画集会を開催後、本会を開催した 1)H23年度ユネスコパートナーシップ事業の申請内容について(資料1) (若松)企画提案書の提案は大きくは次の2点である。 @ 8月 ドイツBRであるSpreewaldとRhoeneの視察 A 10月 志賀高原において研究交流および現状視察 このほかに、InfoMABの発行、国内BRにおけるESD活動のための指針書の作成など 申請は3月1日に行い、現在は結果待ちになっている。 2)SeaBRnet参加報告(資料2) マドリッド行動計画の総括として、transition zoneのないBRについては、2013年に登録取り消しの可能性もある。特に日本のBRは名指しで指摘された。 アジア太平洋地域は現在、EABRNとSeaBRnetの2つが並存しているが、これらの統一についてDr.Choi(MAB-ICC議長・韓国)から提案された。今回は結論はでなかった。今年6月に韓国で開催されるEABRNにSeaBRnetの参加国も招待されることになった。  EABRNの事務局は北京にあり資金援助を韓国が行っている。一方SeaBRnetの事務局はジャカルタにあり資金援助を日本が行っている。 2013年のEABRNについては日本が開催国になる恐れがある。今までEABRNについては、日本は過去に1度屋久島で開催したのみなので、次回に関しては日本開催を断りにくい状況である。これについての準備も必要である。 3)マドリッド行動計画の中間評価について MAPの中間評価については、特段の拘束力はないが2013年に締め切られるMAPの最終評価の結果は重要である。結果如何によってはBRリストからの削除なども考えられる。 報告書の作成については、現在準備段階中である。このアンケートについては実に多彩である。また内容については各BRに回答をお願いするが、共通して書ける部分もあるので、まず雛形を作成する。その上で、各BRごとに個別の回答を行う必要がある。 delistについては、日本の場合transition areaの存在の有無が問題である。これは、生態系の保存として農業・林業地域が入っていることが重要である。持続可能な開発として人間活動があることが必要である。 ? たとえばスキー場でもそのスキー場が地域の環境保護に対して収益の何%かを支出するのであれば、そのスキー場もtransition areaとして認可される可能性はある。 ? 現時点で新たに開拓するという考えよりも、現在有機農業や減農薬農業をしている農家をバックアップする方法があるのではないか。 ? 白山については、金沢が文化景観都市として認可されている。これを利用して、白山のtransition areaに金沢を加えるということは可能ではないか。 4)綾町の登録申請について(別紙 登録申請をするにあたって幾つか疑問点がある ? 申請書の内容についてもう少し具体的な説明が欲しい。 ? 境界域については自由度が高いため、かえって行政側は混乱している ? 登録申請の流れがわかりにくい ? MABから運営することに対して示唆が得られないか。 綾町の申請については、中越先生などがコンサルタントとして相談役をお願いしてはどうか。 5)新規BR登録申請の流れについて(資料3)  登録申請に関しての意見 ? 各地から候補として立候補してきたものについては、どこかで整理する必要があるのではないか。それは申請のどの段階に取り入れるのかを考慮すべきではないか。 ? 立候補地=候補地では短絡的過ぎるきらいがあり、段階を加えるべきではないかと考えている。 ? 立候補地だけを歓迎するという形ではなく、基準が必要ではないか。 ? 立候補地については、文化景観については各県の教育委員会から挙げてもらった地域を検討した。また初期のBRは世界遺産候補を挙げた。ある程度根拠をもったBR候補地を挙げて検討する会議が必要ではないだろうか。 ? BRになった場合に各自治体はどこまで関与すべきかがわからない。 ? 登録申請については、MAB計画委員会へ相談することと共に文部科学省第三係にも相談しつつ、進めることになる。 現在、綾町では原案ができている段階だがこの登録申請の方法に沿って今後行うとどのくらいで申請ができるのか。 これについては、現時点では登録申請については今後文部科学省内での会議の結果、許可され、次いで各関係省庁との許可が取れれば登録申請書がMAB分科会に提出される。例年では5月に審査が行われているのでそこで承認されれば、BR候補地として認定される。スムーズにいけば来年の5月に、ここまでくるものと考えられる。 BRは、現在'80年代に想定されていた規格と、現在は違うといわれている。それに対応した規範、検討項目をつくるべきではないだろうか。 我々の推進したいBRはこういう存在であるということを検討し、MAB国内委員会、MAB計画委員会、そして各関係省庁に示したらよいのではないか。 BRの選定基準の理念が必要であろう。そのためにはBRに関連した書物があることが重要である。core areaの論拠となる本は特に重要である。 現在、MAB計画委員会は各省庁やセクターとの対応といった行政的な面で登録申請にかかわっているが、本来研究者が構成する委員会であることからも鑑みてその候補地域について、学術的な意味を検討するということをもっと積極的に検討すべきではないか。 そのためには立候補した地域については、申請書を書く前に科学的な見地について検討する段階が必要であると考えられる。 候補地にはそのようなポテンシャルがあるのかその妥当性を証明する必要があるのではないか。 buffer zoneからtransition areaになることは可能なのか。 buffer zoneでもそこに特別な価値があるものでなければ、transition areaになることも可能である。 6)「日本ユネスコエコパーク登録地・候補地ネットワーク」規約について これについては、規約案には2011年4月1日に施行するとしているが、日にちを優先させることはなく、内容について納得できる形にしてから施行したいと考えている。ただし、候補地の定義が不明確であり、[検討地]くらいのほうが良いかもしれない。